ポイ活で資産運用?
ポイントを活用した資産運用と税金を
税理士事務所が解説

様々な事業者が発行するポイントサービスはその活用方法がどんどん広がっています。このポイントを集める活動のことを「ポイ活」とも呼ばれ、様々なキャンペーンに応募するなどしてポイントを集めることを趣味にしている人も増えているようです。

この「ポイ活」の一つの楽しみ方として注目を集めているのがポイントを活用した投資です。株式・投資信託はもちろん、ビットコインへ投資できるサービスも登場してきています。

この記事では拡がりつつあるポイントを活用した投資の仕組みと税金についてわかりやすく解説していきます。

今回のポイント

  1. 拡がるポイント活用方法と経済圏
    1. ポイントの最大のデメリットは「○○が付かない」こと
    2. ポイントで囲い込まれた経済圏とは
    3. ポイント各社の経済圏と証券会社の関係
  2. ポイントを活用した投資の始め方と税金
    1. ポイントを活用した投資方法には2種類ある
    2. わたしに向くのはポイント運用?それともポイント投資?
    3. ポイント投資・運用で得た利益は申告が必要?
  3. 番外編・ポイントで暗号資産(ビットコイン)にも投資できる?
    1. 暗号資産を取り巻く環境とポイント運用・ポイント投資
    2. ポイントを活用した暗号資産投資の仕組み
    3. 暗号資産版ポイント運用・ポイント投資で得た利益は確定申告が必要?
  4. 確定申告で迷ったときは専門家に相談しましょう

拡がるポイント活用方法と経済圏

ポイントの最大のデメリットは「○○が付かない」こと

ネットショッピングで決済する、電車に乗る、街中でカードで決済する。こうした日々の様々な活動の中で、ポイントは貯まっていきます。

中にはアンケートに答えたり、節電にチャレンジすることで獲得できるポイントもあり、ポイントを得るためのノウハウを網羅した情報なども多く行きかっています。

こうしたポイントを集める活動、略して「ポイ活」では獲得したポイントを貯め、増やしていくことでよりお得なサービスを獲得することを目指します。

ただ、ポイ活を頑張って貯めたポイントには大きなデメリットがひとつあります。それはポイントには金利が付かないことです。そのため、貯まったポイントそれ自体が自然と利子を得て増えることはありません。これはポイントを貯める上での最大のデメリットと言えるでしょう。

ポイントで囲い込まれた経済圏とは

ポイントを発行する事業者は、付与したポイントを自社・グループのサービス利用に再び使ってもらうことを目指します。

こうした消費・投資といった経済活動を特定の会社・グループのサービスに囲い込もうとする動きは、あたかも一つの経済圏のようになることから「〇〇経済圏」とも呼ばれ、その多くはポイント獲得を通じた顧客メリットが最大化されるようにシステム化されています。

この経済圏の中には証券会社をはじめとする金融機関もあり、顧客は獲得したポイントをグループ内の銀行や証券会社の取引に活用することも可能になっています。

経済圏の中でポイントを使って金融サービスを利用することで、ポイントの最大のデメリットである「金利がない」ことを解消することもできるようになってきています。

ポイント各社の経済圏と証券会社の関係

以下の4つの代表的な経済圏にはいずれも関連する証券会社が紐づいており、貯まったポイントを使って金融商品を購入できる仕組みがあります。

楽天 PayPay docomo au
ポイント名称 楽天ポイント PayPay(ポイント) dポイント Pontaポイント
メインの事業 Eコマース 通信 通信 通信
関連証券会社 楽天証券 PayPay証券 日興フロッギー Auカブコム証券

ポイントを活用した投資の始め方と税金

ポイントを活用した投資方法には2種類ある

獲得したポイントを投資し、増やしていく方法には「ポイント運用」と「ポイント投資」の2種類があります。名前が似ており紛らわしいのですが、貯まったポイントを元本として投資を行うという基本的な行動は同じです。

ポイント運用 ポイント投資
投資元本 ポイントのみ ポイントを現金化して投資
リターン ポイントのみ 現金
購入できる投資商品 1~2種類程度と限定的 投信・株式等幅広く購入できる
証券口座開設 不要 必要

「ポイント運用」は証券口座の開設が不要で投資商品の購入・売却手数料も基本的に無料です。また、増えたポイントを使って同じ経済圏のサービスや商品を購入することも可能です。

このように手軽に始められる一方で、選択できる投資できる商品が限定的であることに加え増えたポイントは現金化できない仕組みとなっています。

対して、「ポイント投資」はポイントを現金化した上で投資するため、幅広い投資商品を購入することが可能です。また、売却後は現金化することも可能ですので払い出すことで経済圏の外でも使うことができます。

ただし、証券口座を開設する必要があることや、投資商品の売買に係る手数料も発生するなど、投資を始めるためのハードルはやや高めとも言えます。

わたしに向くのは「ポイント運用」?それとも「ポイント投資」?

「ポイント運用」も「ポイント投資」も貯まったポイントで投資商品を購入し、その価格が上がることでリターンを得ることを目的とすることは同じです。

「ポイント運用」は、投資の疑似体験なので、証券口座の開設が不要な反面、運用終了後のリターンは「ポイント」に限定されています。

一方、「ポイント投資」は証券口座の開設が必要ですが、現金と併せて投資することが可能なことに加え、リターンも現金で受け取ることができ、同じ経済圏での買い物はもちろん、払い出して他の目的で使うことも可能です。

そのため、同じ経済圏の中でショッピングに増えたポイントを使いたい人は「ポイント運用」が、貯まったポイントに現金を追加し、個別株を売買するといったように本格的に投資を行いたい人は「ポイント投資」の方が向きそうです。

ポイント運用が向く人 ポイント投資が向く人
  • 証券口座を持っていないが、投資の疑似体験をしてみたい人
  • 増えたポイントを同じ経済圏の中でのショッピングに使いたい人
  • ポイントをつかって資産を増やしたい人
  • 証券口座を開いて本格的な投資をしたい人
  • ポイントをつかって資産を増やしたい人

ポイント運用・投資で得た利益は申告が必要?

「ポイント運用」・「ポイント投資」ともに投資商品を購入・保有しているだけでは課税は発生しません。増えたポイントで商品・サービスを購入したり、投資した金融商品を売却して利益があった場合に初めて課税が発生します。

ポイント運用 ポイント投資
所得税区分 一時所得 譲渡所得・配当所得
確定申告の要否 一時所得合計で50万円を超えた場合必要 特定口座・NISAの場合不要

疑似的な運用である「ポイント運用」の場合、得た売却益の所得税区分は「一時所得」になります。

ただし、一時所得には年間50万円の特別控除枠があり、投資した額と売却した額の差額が他の一時所得(生命保険の満期保険金等)と合計で50万円を超えない場合は所得税がかかりません。

そもそもの投資元本がポイントだけであることを考えると、年間50万円を超えるようなリターンを得ることはかなり珍しいケースといえます。

それに対し、「ポイント投資」の場合はポイントを現金化して投資するため、売却益があった場合は「譲渡所得」、配当を得た場合は「配当所得」になります。

ただ、実際にはNISA口座で購入した株式等の売却益や配当金は非課税になることや、特定口座での取引は納税が証券会社の手続きで完結するため、原則確定申告の必要はありません。(一般口座の場合や複数の証券口座を通算する場合は確定申告が必要)

番外編ポイントで暗号資産(ビットコイン)にも投資できる?

暗号資産を取り巻く環境とポイント運用・ポイント投資

2024年に入り、暗号資産の代表格であるビットコインが史上最高値をつけました。また、アメリカや香港ではビットコイン現物に連動するETFが承認・上場されるなど暗号資産への注目が高まっています。

こうした中、貯まったポイントで暗号資産を購入できるサービスも登場してきました。

ポイントを活用した暗号資産投資の仕組み

貯まったポイントで暗号資産を購入できるサービスの仕組みは、株式等のポイント運用・ポイント投資とほぼ同じです。

ポイントをポイントのまま疑似的に暗号資産に投資する暗号資産版の「ポイント運用」と、ポイントを現金化して暗号資産を購入する暗号資産版「ポイント投資」の2種類です。

このうち暗号資産版ポイント運用は口座開設の必要がありません。また、増えた資産もポイントとして使うことに限定されているなど、疑似的な投資に留まります。

一方、暗号資産版ポイント投資の場合は口座開設が必要ですが、暗号資産を売却したのちに現金化したり暗号資産のまま第三者に送金することも可能で、より本格的な暗号資産への投資と言えます。

暗号資産版ポイント運用・ポイント投資で得た利益は確定申告が必要?

ポイントで購入した暗号資産はポイントのまま保有しているだけであればいくら増えたとしても課税対象になりません。

ただし、増えたポイントで経済圏内の商品やサービスを購入したり、現金化または他の暗号資産に交換した時に利益が出た場合に初めて課税対象になります。

ポイントで購入した暗号資産の課税方式を整理すると下表のようになります。

暗号資産版ポイント運用 暗号資産版ポイント投資
所得税区分 一時所得 雑所得
課税タイミング ポイントでモノやサービスを購入したとき 売買および異なる仮想通貨・法定通貨への交換
確定申告 一時所得合計で50万円を超えた場合必要
  • 暗号資産での利益を含め雑所得が20万円を超えたとき必要
  • 給与所得等他の所得合算し総合課税

暗号資産版ポイント運用の場合、疑似的な運用に留まることから増えたポイントでモノやサービスを購入し、利益確定したときに利益が50万円を超えて初めて「一時所得」として課税対象になります。

ただ、ポイントで多額の暗号資産が買えることは考えにくく、課税対象になるケースは少ないと考えられます。

一方、本格的な投資である暗号資産版ポイント投資の場合、暗号資産(仮想通貨)取引による利益を含め雑所得が年間で20万円を超えると確定申告の義務が生じます。この場合、他の所得と合わせて算出される総所得金額に対する課税となり、住民税も合わせると最大税率は約55%になります。

また、元々の暗号資産取引同様、損失を被った場合でも雑所得以外の所得との通算はできないことも押さえておく必要があります。

確定申告で迷ったときは専門家に相談しましょう

「ポイント投資」・「ポイント運用」の登場はポイ活の幅を拡げてくれたとともに、投資を始める時の心理的なハードルを大きく下げてくれたといえます。

一方でその手軽さゆえに課税を見過ごし、申告を漏らしてしまってては元も子もありません。

まだ始まって日の浅いポイント投資が絡んだ確定申告は、一般的な確定申告に比べるとややハードルが高く、スムーズな申告・納税を行うためには税理士をはじめとする専門家のアドバイスがあった方がよいでしょう。

廣瀬総合経営会計事務所では経験豊かな税理士、行政書士、FPなどが在籍しており、株式・不動産の売買のみならず、暗号資産に代表される新たな資産税に関する様々なご相談をお受けしています。

また、各分野に精通した専門家とも連携し、税金に関して起こりうる様々なトラブルへの対処方法へのアドバイスからや税務調査対応まで一括のサポートが可能です。

株式の譲渡や不動産の譲渡など資産関連の税金に関する疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。当事務所の対応エリアは以下の通りです。

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