ビットコインが新高値!
暗号資産の歴史と税金を税理士事務所が分かりやすく解説

2024年は1月1日に能登半島沖地震、1月5日には羽田空港での衝突事故があるなど、波乱の幕開けとなりました。

一方で活況なのは株式市場で、1989年の大納会でつけた日経平均史上最高値であった3万8915円を2月22日に更新し、その後4万円台にのせる場面もありました。

株式市場と並んで同時に活況なのが暗号資産です。中でも暗号資産の代表格であるビットコインは昨年後半から上昇を続け、とうとう3月8日には初めて1ビットコインが7万ドル(日本円で約1000万円)を超え史上最高値を更新しました。

本記事では暗号資産の代表格であるビットコイン相場が活況を呈している背景や税金についてわかりやすく解説していきます。

暗号資産(仮想通貨 crypto assets)とは

暗号資産第一号は2009年に誕生 開発者は日本人?

2008年10月にサトシ・ナカモトといういかにも日本人風の名前を持つ人物がビットコインに関する論文をインターネット上に公開したことから始まりました。

その論文は「ブロックチェーン技術を使った中央銀行に代表される中央管理者がいない決済システム」について考察された研究論文で、この論文に触発された複数の開発者が、協力することで2009年に開発されたのが最初の暗号資産である「ビットコイン」です。

このビットコインを基礎に、イーサリアム、XRPといった新たな暗号資産がこのあと生まれていきます。

(ビットコインは当初「仮想通貨」という名称で括られていましたが、令和2年5月に施行された資金決済法の改正により、国際標準である「暗号資産」(crypto-assets)に呼称が標準的な呼称になりました。)

暗号資産の用途

暗号資産はブロックチェーン技術を使うことで、中央の管理者や銀行など第三者を介さずに取引をすることが可能です。日本国内でも範囲が限られるものの、商品・サービスの購入対価として暗号資産を用いることも可能です。

また、安全性が高く匿名性も高いことから個人間の送金手段としても用いられることがあります。ただ、この安全性や匿名性の高さゆえ暗号資産がマネーロンダリングや、詐欺行為に用いられることも多くあります。

一方、暗号資産の代表格であるビットコインには発行枚数の上限(約2100万枚)があるため、必然的に希少性が生まれます。

そのため、ビットコインは金融資産としての価値も有することになり、相場が形成されることになりました。今では多くの人は暗号資産を決済手段としてではなく、値上がり益を目的に取引を行うことが多くなっていきます。

暗号資産の代表格「ビットコイン」の取引方法

たくさんの種類がある暗号資産ですが、その代表格は「ビットコイン」です。日本国内で行われるビットコインの取引のほとんどは、利用者同士が暗号資産の売買を行う「暗号資産取引所(仮想通貨取引所とも)」で行われます。

暗号資産取引所の運営を行うためには暗号資産交換業者として金融庁・財務局に登録する必要があります。

日本国内では、2017年4月1日に施行された「改正資金決済法」において初めて暗号資産に関する法律が制定され、2024年3月時点では30社の金融庁の認可を受けた暗号資産取引所が存在しています。

ビットコイン取引を行うためにはまずこの30社の中から取引所を選び、口座開設手続きを行います。開設した口座に資金を入金するとビットコインの取引が可能になります。

取引においては、ビットコイン現物を買うことで将来の値上がり益を狙うことも可能ですし、最大2倍程度のレバレッジをかける取引を行うことで買い(ロング)だけでなく売り(ショート)を活用することで、上昇・下落どちらの局面でも利益を狙う取引も可能です。

レバレッジ取引は手持ち資金以上の取引ができるため資金効率がよく、同じ投資金額でも現物取引以上の利益が狙える一方で、レバレッジ取引では同じ投資金額で現物取引以上の損失を被るリスクがあることも踏まえておかねばなりません。

暗号資産の歴史に新たな1ページビットコインの現物ETF上場を
米証券取引委員会(SEC)が承認

急騰と暴落を繰り返してきたビットコインの歴史

2009年に世に出たビットコインはその短い歴史の中でも急騰と暴落を繰り返していることでもよく知られています。

2014年2月には当時代表的な取引所であったマウントゴックス社がハッキングされ85万BTC(当時の価格で400万ドル)が盗まれるという事件がありました。ビットコインの安全性が揺らいだ事件とも言え、ビットコイン価格は約8割下がるという大暴落を経験します。

一方で、コロナ期の大幅な金融緩和策で生まれた世界的なカネ余り情勢を受け、1BTCは1年程で1万ドルから6万ドルになるなどの急騰も経験しています。

このボラティリティー(変動率)の大きさはビットコイン単体の需給によるものだけでなく、国家の方針やビットコインへの信頼性の低下など様々な要因によって引き起こされており、今後もその流れには注意が必要です。

米国証券市場にビットコイン現物ETFが上場 ビットコインは新高値更新

このビットコインの歴史において画期的な出来事が2024年に入って早々に起こりました。

米証券取引委員会(SEC)が2024年1月10日に、暗号資産(暗号資産)で時価総額最大のビットコインを原資産とする現物ETF(上場投資信託)11本を承認すると発表したのです。

上場承認されたビットコイン現物ETF一覧

ティッカー 銘柄名称 市場
GBTC グレイスケール ビットコイン トラスト (BTC) NYSE
IBIT iシェアーズ ビットコイン トラスト NASDAQ
FBTC フィデリティ ワイズ オリジン ビットコイン ファンド CBOE
ARKB アーク 21シェアーズ ビットコインETF CBOE
BITB ビットワイズ ビットコインETF NYSE
BTCO インベスコ ギャラクシー ビットコインETF CBOE
HODL ヴァンエック ビットコイン トラスト CBOE
BRRR バークリー ビットコイン ファンド NASDAQ
EZBC フランクリン ビットコインETF CBOE
DEFI ハッシュデックス ビットコイン フューチャーズETF NYSE
BTCW ヴィズダムツリー ビットコイン ファンド CBOE

市場名の略称NYSEニューヨーク証券取引所/CBOEシカゴオプション取引所/NASDAQナスダック

これまでビットコイン現物に投資しようとする人は、暗号資産取引所を通じた売買しかできませんでした。

また、米証券取引委員会(SEC)はビットコインの透明性や安全性への懸念から長らくビットコインETFの上場を承認してこなかったという歴史があります。

しかし、既に米国の先物取引所(CME)ではビットコイン先物取引が既に始まっていることや、ビットコインETF上場承認を巡る裁判でのSEC敗訴といった出来事を経て、もはやビットコイン現物ETFを拒否し続けることはできないと判断し、上場を承認したとみられています。

このビットコイン現物ETFを使えば、個人や機関投資家は直接ビットコインを保有しなくても、ビットコインへの投資が可能になり、ビットコイン価格の上昇につながることが予想されていました。

この予想は見事に的中し、翌1月11日から始まった取引において、ビットコイン現物ETFの取引高は1日当たり100億ドルを超えることもあるなど活況を呈しており、取引ボリューム拡大に比例するかのようにビットコインの現物価格も7万ドルを超える水準にまで到達したのです。

ビットコイン現物ETFは日本で買える?
取引と税金はどうなる?

ビットコイン現物ETFは日本でも買えるの?

ビットコイン現物ETFはリスクの高さこそあるものの、ビットコイン現物を保有することなく、ビットコイン投資が可能になるため、日本の投資家にとっても便利なETFになりそうです。

また、投資信託は証券会社が分別管理を行うため、証券会社が破綻したとしても顧客資産は守られることに加え、ハッキングによる流出の可能性も低く、個人が現物を保有するのに比べて安全性が大きく増すことが期待できます。

「新しく始まった新NISAでビットコイン現物ETFを日本で買えたら・・・」

こんな声も聞こえてきそうです。しかし、残念ながら2024年3月の時点では日本国内の証券会社を通じてこれらビットコイン現物ETFを購入することはできません。

日本で購入できる海外ETFは金融庁に「外国投資信託に関する届出」がなされたETFでなくてはならず、2024年3月時点でこれらのビットコイン現物ETFは届出がなされていないからです。

もし、日本でビットコイン現物ETFが買えたなら税金はこうなる?

現状、日本でビットコインをはじめとする暗号資産の売買で得た利益は雑所得とされ、所得税の対象となります。最終的に他の所得と合算され、所得税・住民税をあわせると最大55%の税率がかかります。

もし、日本でビットコイン現物ETFが買えるようになったら、従来の株式・ETFと同じ課税方式になると可能性があります。この場合、ビットコインの売買益に対する税率は所得税・住民税あわせて約20%で済むということです。これは大きな違いです。

さらに、これがもし新NISAで売買したとなると、売却益に税金は全くかからないことになります。一方で、暗号資産は投信法上の特定資産に該当しないとの指摘もあり、仮に日本で購入が可能となった場合でも株式やETFと同じ課税方式になるかどうかについてはまだ不透明な状況です。

このビットコイン現物ETFの課税方式がどうなるか、このあとの流れを注意深く見守っていく必要がありそうです。

暗号資産の確定申告は大変?
迷ったときは専門家に相談を

株式・ETFの取引の場合、証券会社で特定口座を持っている方なら売買益や配当金にかかる納税は証券会社が手続きをしてくれ、その結果は取引明細書等で確認することができます。

また、複数証券会社で特定口座を持っている場合や、複数口座間で通算する場合であってもe-Taxでの確定申告であればデータ読込も容易にできるため、負担感はさほど感じずに確定申告をすることができます。

一方、同じ資産税であっても暗号資産で得た利益は雑所得として計算され、売買利益額が20万円を越える場合には確定申告する必要がありますが、株式・ETFの申告に比べてe-Taxで申告するためのインフラは整備されているとは言い難いのが現状です。

また、暗号資産の取引で大きな利益を得ているような場合は税務調査のリスクも高まります。税務調査とは、確定申告で申告した内容に間違いがないか、税務署によって行われる調査です。

株式相場・ビットコイン相場などが活況ないま、きちんとした申告をしているか税務署も目を光らせている可能性は高いのではないでしょうか。

廣瀬総合経営会計事務所では経験豊かな税理士、行政書士、FPなどが在籍しており、暗号資産などの資産税に関する様々なご相談に加え、税務調査のサポートも対応可能です。

また、各分野に精通した専門家とも連携し、税金に関して起こりうる様々なトラブルへの対処方法やアドバイス、記帳・申告まで一括サポート可能です。

株式の譲渡、不動産の譲渡、FX・暗号資産など資産関連の税金に関する疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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