見守りサービスの選び方とは
離れて暮らす親と円滑に連絡を取る方法

内閣府が発表した「令和3年版高齢社会白書」によると、令和元年時点で65歳以上の人がいる世帯の数は2,558万4千世帯と、全世帯(5,178万5千世帯)の49.4%を占めており、65歳以上人口に占める独り暮らし率は男性で13%、女性で21%に達しています。

この中には純粋に身寄りがいない人だけではなく、子供と離れて暮らしている独居の親世帯も多く含まれるのではないでしょうか?こうした離れて暮らす親の安否を確認できるサービスとして「見守りサービス」の利用が広がっています。

この記事では拡大する見守りサービスの選び方や離れて暮らす親とのコミュニケーション方法について分りやすく解説していきます。

多様化する親とのコミュニケーション方法と
拡大する見守りサービス市場

離れて暮らす親との連絡頻度と連絡方法ベスト3

セコム株式会社が2022年に実施した調査によると別居する親との連絡頻度は「週に1日以上」の人が47.3%を占めていました。そして、その連絡手段の第一位は電話で69.5%でした。

「離れて暮らす親に電話をかけてもつながらない場合不安な気持ちになる」と回答した人も64.5%に上る一方で、安否確認を行う方法がないと答えた人が53.0%と約半数を占めました。連絡手段の第二位は「直接会って話す」(46.8%)でした。

しかし、親に直接会うためにかかる時間の平均は115.5分とされ、物理的に離れて暮らす親子が多数いる状況が見て取れます。

そして、第三位には「アプリを使ったメッセージ」(35.6%)が入りました。スマホ・SNSを使いこなす親世代が増加していることがデータ面からもうかがえます。

見守りサービス市場が拡大する背景

別の調査会社のレポートによると、高齢者見守り・緊急通報サービスの市場規模は2020年に262億円、2030年は381億円に拡大すると予測されています。

見守りサービス市場の拡大が予想されている最大の理由は、独居高齢世帯の増加にあります。

特に、2025年以降は、団塊世代が後期高齢者に到達することから、見守りサービスの対象となり得る高齢者人口はさらに増加することが見込まれています。

人手不足が深刻化するといわれている介護業界でも、新型コロナウイルス感染症対策に備えるため、IoTや非接触/リモート技術、ロボット等の活用と併せ、見守りサービス市場は今後も多様化することが見込まれています。

独居の親に対する子供世代の心配・不安はさらに増大

さらに同レポートでは独居の親に対する子供世代の最も心配・不安として、体力・足腰の衰え、(コロナ以外)健康不安や病気の治療、新型コロナ感染、認知症や介護の必要などが挙げられています。

これら親の心身の健康に関する内容が心配事の上位を占めており、見守りサービスの利用を検討する子供世代の数も拡大しつつあることがうかがえます。

見守りサービスを選ぶ時の3つのポイント

その1見守りサービスは民間だけ?自治体が提供するサービスはあるの?

見守りサービスには民間御事業者が提供するサービス利用を思い浮かべることが多いかもしれませんが、各自治体にも地域包括支援センターと呼ばれる機関があり、情報提供などのサービスを提供しています。

地域包括支援センターでは地域の高齢者の相談に乗ったり、利用可能な施設・サービスの紹介や橋渡しを相談することができます。

各都道府県でこうした地域包括支援センターの情報は公開されていますので、民間の見守りサービスの利用を検討している場合でも、地域包括支援センターに親子で足を運ぶなどしてまず相談してみるのがおすすめです。

在籍する専門相談員に不安を感じている内容や、どのような見守りサービスがよいのかなどを相談した上で、民間の見守りサービスを検討していくとよいでしょう。

また自治体によっては高齢者の消費者被害の防止に向けた取組を行う地域の見守り体制(見守りネットワーク)を設けているところもあります。子供だけが見守る以外の選択肢もあることは踏まえておくとよいでしょう。

その2見守りサービスにも色々な種類がある タイプ別内容比較

現在提供されている見守りサービスの中から代表的なタイプを3つ分類してみました。それぞれメリット・デメリットがあるので、地域包括支援センター在籍の専門相談員に相談するなどして吟味していきましょう。

見守りサービス 種類別の特徴

代表例 特徴
カメラ・センサーを活用した見守りサービス カメラやセンサー、ウェアラブル機器等を活用し、高齢者の生活のリズムに異変がないかどうかを確認し、異変が生じた場合に家族等に通知されるサービス。緊急時の駆けつけ対応も比較的スムーズ。
訪問・宅配型の見守りサービス 配食会社や宅配便業者が直接家に行って対面で健康状態や安否確認を取るサービス。元々利用しているサービスの利用頻度に応じた訪問になるため、緊急時の対応にはやや不向き。
スマホ・アプリを利用した見守りサービス スマホのGPS機能を用いた位置確認ができるほか、無反応時や異変を察知した時にはアプリに登録した家族に緊急通知を発信することも可能。スマートフォンを所持し、一定の操作を行う必要がある。

その3見守りサービスの費用は長期的な視点で判断 タイプ別費用比較

見守りが必要な期間は確定していません。長期的に利用する可能性もあることを考えると、費用面で無理のない範囲で利用できるサービスを選ぶことも大事なポイントになります。

初期の機器の設置や、警備会社等のホームセキュリティとのセットで利用する場合は、相対的に費用は高くなります。

一方で、安心度はやや低くなるものの、郵便局や宅配・配食会社が提供するサービスは、これまでの契約の延長線にあるため、比較的安価でサービス利用が可能です。

スマホ・アプリで提供されるサービスは無料のものも多くありますが、自身で一定の操作を行う必要があり、スマホ操作に一定の慣れが必要になります。

見守りサービス 種類別の費用

代表例 費用面の特徴
カメラ・センサーを活用した見守りサービス カメラ・センサーの設置にともなう初期費用(1万円程度~)に加え、月額費用(2000円程度~)がかかることが多い。利用するサービス(緊急時駆けつけなど)に応じた追加費用がかかることが多い。
訪問・宅配型の見守りサービス 初期費用はゼロか低額のケースが多く、月額費用(2000円程度~)のみで利用することができる。定期的な物品・サービス購入とセットになっている場合は月額費用が無料のケースもある。
スマホ・アプリを利用した見守りサービス 高齢者向けスマートフォンにあらかじめインストールされていることが多い。携帯キャリアの料金にプラス(月額1000円~)して利用できる。アラーム方式のアプリやGPSで位置情報を確認できる無料アプリを利用することも可能。

スムーズな相続に向けた
親子間のコミュニケーションの取り方と見守りサービス

相続に関する話 「親は“まだまだ”、子供は“そろそろ” 」

以前当コラムでもご紹介した通り、こと相続が絡むと仲のいい親子であってもコミュニケーションがぎくしゃくしたものになり、切り出すタイミングが見いだせないまま時間が過ぎてしまうこともよくあります。

そもそも、相続について親子間にはギャップがあることが指摘されており、「親は“まだまだ”、子供は“そろそろ”」と言われるくらいです。

親の健康状態が悪化すると相続対策は一気に難しくなる

相続対策の難易度を左右する最大の要素は「親の健康」です。

心身ともに健康な状態であれば即座に思い出せる財産に関する記憶も、心身の衰えとともに正確さを欠いていくことが一般的です。また、借金や貸金の存在は時間の経過とともに記憶が薄れていくこと可能性が高く、正確な相続財産の把握が難しくなっていきます。

そのため、親が心身の健康を失った後では相続対策の余地が一気に狭まります。中でも親が認知症になり、成年被後見人になった場合は、極めて多くの労力が必要になります。

見守りサービスを親子間で話すのをきっかけに、離れて暮らす親が心身ともに健康なうちに相続の話をそれとなく切り出してみるのもよいかもしれません。

相続対策・相続税申告は
当事務所にお任せください

相続手続きや相続税申告は人生の中で何度も発生するものではなく、なじみのない方も多いはずです。そんなときに頼れる相談相手がいるととても心強く、親に対しても相続の話を切り出しやすくなるのではないでしょうか。

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