令和4年度から成年年齢、年金、育休が変わります~事業や暮らしにどう影響する!?~

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令和4年度は、民法の成年年齢の引き下げ、年金制度、育児休業などの改正が行われます。成年年齢の引き下げは相続税や贈与税、契約などに関係し、年金、育児休業の見直しは、企業経営や従業員の働き方に影響します。

18歳から成年に〜契約・税務に影響〜

成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、令和4年4月1日時点で18歳以上20歳未満の人(平成14年4月2日生まれから平成16年4月1日生まれまでの人)は、成年となります。
これまでは、20歳以上でなければ、親の同意がなく、携帯電話の購入、アパートの賃借、自動車ローンなどの契約をすることができませんでしたが、18歳から親の同意がなくても契約をすることが可能になります。
相続税や贈与税においては、結婚・子育て資金の一括贈与の特例など、適用年齢に20歳の基準を設けている制度について、基準が18歳へ引き下げられます。
なお、酒やたばこ、公営競技(競輪、競馬など)の年齢制限は20歳のままです。

年金制度改正〜多様な働き方に対応〜

(1)パート等への社会保険の適用拡大

10月から、従業員が101人以上の企業で働くパートやアルバイトなどの短時間労働者の社会保険の加入が義務化されます。週の所定労働時間が20時間以上、月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上など一定の条件を満たせば、厚生年金保険と健康保険へ加入しなければなりません。
企業は社会保険料負担が増えることになります。パート従業員は手取り収入が減りますが、将来の年金が増えることになります。

(2)在職中の年金受給のあり方の見直し

60~64歳に支給される「特別支給の老齢厚生年金」を対象とした「在職老齢年金制度」の見直しが行われます。これまで賃金と年金の月額合計が28万円を超えると、年金の全部または一部が支給停止されましたが、4月から支給停止の基準が47万円に緩和されます。
また、高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の65歳以上の老齢厚生年金受給者の年金額が毎年定時改定されます。

(3)年金の「繰り下げ受給」が75歳までに!

繰り下げ受給の上限年齢が75歳に引き上げられます。これにより、年金の受給開始時期は60歳から75歳の間で選択が可能になります。

育児・介護休業法改正〜取得しやすい環境づくり〜

男女ともに育児休暇(育休)が取得しやすくなるように、4月以降、事業者は育休制度の周知や、従業員の育休取得意向を確認する必要があります。育休の分割取得が可能になり、有期雇用労働者の育休取得要件が緩和されます。